大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(あ)624 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人星野忠治の上告趣意第一点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり(

原判決は、所論のように醸造元の蔵から出荷しなかつたから詐欺であり、その蔵か

ら出荷したら詐欺ではない旨を判示したものではなく、被告人A等が小売業者に対

し本件清酒はB酒類食品株式会社の蔵から出荷せられたものではなく、同被告人が

購入していた地方酒を混合又は転用したことを告知してその了解を求むべきである

のにかかわらず、右告知をしなかつた点において小売業者を欺罔したものといわな

ければならない旨を判示したにとどまることが判文上明らかであるから、所論の違

法は認められない。なお、被告人A、同Cの両名に対し詐欺罪の成立を認めた第一

審判決を維持した原判示は正当である。)、同第二点は、単なる法令違反の主張で

あり(なお、本件小売業者は、混合又は格下転用された地方酒を真正な灘の銘酒で

あると誤信して買い受けたものであり、また、消費者も同様の誤信をして小売業者

からこれを買い受けたものであるから、小売業者らに被害がなかつたものとはいう

ことができない)、同第三点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて(被告

人三名に故意のあつたことは、第一審判決挙示の証拠により十分認めることができ

る。)、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一

一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三三年五月二一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

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裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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